新法で導入された定期借地権とは?その種類について解説

今回は、定期借地権について、その種類や気になるポイントを解説していきます。

◆借地借家法で新たに導入された「定期借地権」

定期借地権は、平成4年に制定された借地借家法で誕生したものです。それ以前の借地権は、基本的に「更新あり」の普通借地権だけだったのに対し、「更新なし」の定期借地権がプラスされました。

定期借地権という言葉から分かるように、この権利は期間が定められている間だけ効力が続きます。新しい制度が導入されたことにより、貸主および借主のそれぞれのニーズに合った契約期間を選ぶことができるようになったと言えるでしょう。

定期借地権のなかでも3つのタイプがあるので、説明していきます。

◎一般定期借地権

一般定期借地権は、存続期間を50年以上と定めています。借りる側の土地の用途には制限がないので、一般的な住宅を建てる人もいれば、定期借地権付という名目で分譲マンションが建てられるケースもあります。

一般定期借地権は「更新をしない」のはもちろんですが、期間が満了したら借主は「更地」にして地主に返す特約が内容に盛り込まれます。「まだまだ使える建物だから買い取ってくれませんか?」と地主に迫ることはできません。

◎事業用定期借地権

「一般定期借地権」の用途は特に制限がありませんが、「事業用定期借地権」は事業目的の建物の建設と用途が限定されています。一般的な住宅の土地に向かないような土地でも、この借地権ならば「コンビニ・ファミリーレストラン・ガソリンスタンド」などを目的とした人も利用が可能なので、土地活用のひとつとしても注目されています。

全体でみると存続期間は10~50年未満と幅があるのですが、「10~30年未満」「30~50年未満」とさらに区別されます。

10~30年未満の短いタイプは、基本的に「更新できない」「更地にして返す」という前提です。

一方、後者の30~50年未満という長いタイプは、更新と建物の買取請求については特約で任意で設定できるものとなっています。

◎建物譲渡特約付借地権

このタイプは、土地の用途に関して制限はありません。存続期間は30年以上で、原則更新はできません。ただ、前項までにあげた「一般定期借地権」「事業用定期借地権」と大きく違う点が、更地にして返さなくてもいいということです。建物を壊さない状態で土地を返還、建物についてはそのときの時価で売買され、「借地」の権利が消滅します。

◆まとめ

「定期借地権」は原則的に更新がありません。地主側には「戻ってくるから安心して貸せる」、借主側には「条件の良い土地に住める」など、それぞれにメリットも期待できますよね。「老後は他の土地に移り住みたい」など、マイホームに永住を考えていない人にも注目されている方法です。

平成3年に新借地借家法が制定され、定期借地権が新たにできましたが、まだ定期借地権が満期になった事例などが少なくトラブルに発展しないといいですね。
万が一、トラブルになったときなどは借地権に特化した業者さんなどに相談したほうが良いかもしれません・・・。

借地権に特化した不動産会社 株式会社マーキュリー

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