家づくりで知っておきたい基礎知識|見積書はどう比較する?

建売や中古など形ができあがっている住宅を購入するのとは違い、注文住宅というスタイルでマイホームを建てるときはワクワクした気持ちになりますよね。でも、「できるだけ費用をかけたくない…」と費用面が気になるのも当然のこと。
ハウスメーカーからもらった見積書を手に取り、「この会社にしよう!」「いや、あちらの会社の方がいいかな」と金額欄だけを比較して決めそうになるかもしれません。しかし、金額だけで判断するのは少し危険です。金額だけでなく、見積書の内容にもしっかり注目してみましょう!
◆表紙で金額以外にも注意しておくべき箇所
見積書の書式は、施工会社によってそれぞれ違いますが、内容的には同じような構成で、表紙には、工事名や工事場所、工事期間、見積金額や有効期限などが記載されているのが普通です。
有効期限は、「いつまでに工事を始めた場合には、この金額で」という期限です。見積書を取ってから長い期間経過した後では、価格に変動が出るのは当然のことなので、同じ価格で工事ができないものです。有効期間が記載されているかはしっかり確認しておきましょう。
また、社印が押されていて「正式なもの」であるかもチェックしておきたいところです。
◆明細書が付いているか?
2枚目以降は工事に関する詳細が内訳書や明細書として添付されているのが一般的です。
家づくりでは、
- ・仮設工事
- ・基礎工事
- ・木工事
- ・屋根工事
- ・外壁工事
- ・板金工事
- ・塗装工事
- ・左官工事
- ・建具工事
- ・内装工事
- ・電気設備工事
- ・給排水衛生設備工事
- ・空調工事
- ・ガス工事
というように、さまざまな工事からなります。
これらの工事項目ごとに、使う資材の種類や単価、数量、金額などが明細書として添付されていなければなりません。たとえ明細書が添付されていても「○○工事一式○○円」というように、内容があいまいとなっている見積書は論外です。
後から追加工事として金額が増えたときに、トラブルが起こりやすいため、「明細書をください」と内容を明確にしてもらいましょう。
◆丁寧に説明してくれるかどうか
家づくりが初めての人は、専門用語が分からないのは当然です。誠意のあるハウスメーカーは、見積書を見ながら説明をしてくれるもの。気になる点は、遠慮なく質問して納得する説明を受けるべきでしょう。
◆複数社から見積もりをもらってもいいの?
なかには、「こんなによく説明してくれるのだから…」とたった一社だけから見積もりをとってそのまま契約する人もいます。見積書をもらっている時点では、工事契約をしているわけではありません。いくつかの会社から同じ工事内容で見積もりを取って比較してみるのが「良いパートナー」に出会える第一歩です。
同じ内容の工事なのに金額が驚くほどに違っている、同じ設備機器なのに数十万円もの差がある…など、なんとなく見えてくることもあります。「価格の安さ」だけで決めるのではなく、見積書の説明時にきちんと根拠を説明してくれるか、こちらの初歩的な質問にも耳を傾けてくれるかなど、信頼性にも目を向けてみましょう。
◆まとめ
見積書をじっくり見ることは、後悔のない家づくりができるかの分岐点です。一社にだけ見積もり依頼するのではなく、いくつかのハウスメーカーから相見積もりを取ってみましょう。
表紙の見積額だけを比較して「安い業者」に依頼するのもリスクがあります。よくチェックすると、グレードの高い資材で金額を安くしていただけというケースもあるかもしれません。「早くマイホームを建てたい」と気持ちが先走ることもありますが、すべてを業者に任せるのではなく、もらった見積書を熟読することが大事です。